「こんなものも分からぬのか。」


課題を見た瞬間、そんな事言わないで下さい。
日本語すら理解できない私には、漢文なんて全く分からないんです。


 「分かるんだったら、手伝って。」

 「それが人に頼む態度か?」

 「お願いします、助けてください。」


白哉としては珍しく大きなため息をつくと、ペンを持つ。
どうやら、助けてくれるようだ。


 「で、何が分からないというのだ?」

 「まずは読み方かな。」

 「どの漢字が分からないのだ。」

 「いや、漢字が読めないのもそうだけど、読む順番がわからない。」

 「・・・読み方は習ったはずだろう。」

 「そうだったっけ。」


あ、呆れてる。だけど、覚えていないんだから仕方ない事だと思うんだけどな。
そういえば、分からないといえば・・・
白哉が何言ってるのか、たまに分からなくなるんだよね。
この人、日本語しゃべってるの?って思っちゃうくらい。


 「なんだ?」


ずっと見つめていたのが気になったのか、声をかけられた。
それでも、白哉の顔は課題に向けている。


 「白哉さ。『けい』って何?」

 「・・・『兄』のことか。」

 「よく分からないけど、それ。どういう意味?」

 「自分で調べろ。」

 「それをしたくないから、聞いてるわけなのよ。」

 「ならば、一生悩んでいろ。」

 「じゃあ、忘れよ。」


すぐに諦めた私を白哉は怪訝そうに見てくる。


 「。もう少し、勉学に励む気は・・・」

 「ないでーす。ついでに恋愛もしないでーす。」


急に話を変えるな、と怒られるかと思いきや白哉はその話にのってきた。

 「恋愛は嫌いか?」

 「面倒だからね。」

 「・・・男は欲しくないのか?」

 「必要ないじゃん、生きるうえで。」


潔く男を切り捨てた私に、それ以上白哉は追求してこない。
一瞬、悲しそうな顔をしたのは気のせいだったかな。

いつもの無表情な顔で、白哉は律儀にも課題を手伝い終わってから、帰宅しましたとさ。






-back stage(あとがき)-
白「待て。何故と『らぶらぶいちゃいちゃ』していないのだ。」
管「おぉ、白哉さん。そんな単語使えたんですか。」
白「答えろ。」
管「様に相手にされない可哀相な貴方を書きた」
白「散れ 千本桜」
管「ぎゃー!」

2005.07.04

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もう解決したから、寝室へ帰る