「汚いなぁ、この部屋。」


いきなり言うこときついよ、ギンさん。
て、部屋を汚くしてる私が悪いのか。


 「これでも、まだ綺麗にしたんだよ?」

 「・・・、ホンマに女の子なんか?」


胸に突き刺さるわ、その言葉。
ここ最近、忙しくて部屋をちゃんと整理できなかっただけなんだってば。


 「で、何が分からんの?」

 「これ。」


私は乱暴に床に座ったギンの前に課題を落としていく。


 「え・・・これって・・・」

 「全部、分からないんだよ。」


その量―数十枚。


 「しかも、色んな科目やね。」

 「苦手な科目ないって聞いたと思ったんだけど。」


こんなんはイヅルに聞いて欲しいんやけどな、と呟かれた。
とことん、面倒なことはやりたくないらしい。
ならばご希望通り、帰らせてあげよう。


 「そうだね、イヅルに聞くことにするよ。」

 「え?」

 「ありがとう、ギン。もう帰って良いよ。」

 「そんな殺生な。呼んだんは、やで?」

 「うん、ごめんね。わざわざありがとう。」

 「・・・やればええんやろ、やれば。」


やったね。押してもだめなら引いてみろ、だよ。
明らかに使う用途は間違ってるだろうけど、気分的に使いたくなった。


すると、ギンは立ったままの私の腕を引っ張った。
バランスを崩した私は、ギンの腕に包まれる。


 「ちょっと、ギン?何やってんの。」

 「せやから、教えようと思うて。」

 「なにを?」

 「ま、色々な。」


なんだか、その言葉に深い理由があるような気がする。
絶対に私が受け入れたくないであろう、理由が。
だって、今ギンの手が動き始めてる!


 「嫌だ。」

 「何言うてんの。教えて欲しい言うたのは、やで?」

 「だから、宿題を手伝って欲しいだけだって。」

 「宿題も手伝うたるから、こっちの勉強が先な。」



最終的に、ギンは宿題を手伝わずに帰っていった。




-back stage(あとがき)-
ギン:ん〜。いまいち、甘ないな。
管理:これ以上甘くしたら、様が危ないでしょうが!
ギン:てか、僕、本当は英語担当やったんやろ?なんで変更したん?
管理:喜助の方が言葉の使い方が上手いかと思ったんです。
ギン:なんや、嫌やわぁ。あの人の変わりやなんて。
管理:出させてもらっただけ、感謝してよ。
ギン:せやね。イヅルなんて、名前だけやもんね♪

2005.09.12

他の科目も見てもらいたい方は、ブラウザでお戻り下さい。

もう解決したから、寝室に戻る