「ったく、わざわざ呼ぶんじゃねぇ。」

 「まぁまぁ、とりあえず飲み物でもどうぞ?」


ぶっきらぼうながらも優しい冬獅郎に私は飲み物を差し出した。


 「・・・何の真似だ、?」

 「え、冬獅郎はこれでよかったでしょ?」


私の飲み物は、香ばしいブラックコーヒー。
冬獅郎の飲み物は、彼の髪とお揃いの色―すなわち、ミルク。


 「もう、教えねーぞ。」

 「ごめんなさい、もうしません。許してください。」


宿題が全く進んでない私にとっちゃ、冬獅郎は大事な助っ人。
さすがに怒らせたら、謝るしかない。


 「土下座するくらいなら、もうやるなよ。」

 「あー・・・ちょっとそれは、難しい問題だね。」

 「てめぇ。」

 「じょ、冗談だよ〜。あははは。」


嘘です。冬獅郎からかう事ほど楽しいことはない。
・・・限度はあるけど、ね。


 「んで?何が分からねぇんだ?」

 「ここ。元素。」


元素の足し算、引き算。(て、そういう風に言うっけ?)
足したり引いたりするだけなら、簡単なんだけど。
それによって物質が変わるから、表記も変わるみたいで。
そこらへんが、理解できていない。


 「結果的にどうやって書けばいいのかが分からないんだよ。」

 「お前は、難しく考えすぎだ。」


そう言うなり、冬獅郎は置いてあったミルクをコーヒーに注いだ。


 「ちょっと!私のコーヒーに何するのよ?」

 「どうせ、ブラックじゃ飲めないだろ。」

 「そうだけど!気分的に嫌にさせられた。」

 「・・・俺は気分悪くさせられても良いってか?」

 「もちろん。」


おっと、しまった。思わず口が滑ったよ。
遊ぶ、という意味では本心だけど。
当の本人は、もう遊ばれないぞと言わんばかりに無視をした。
ちょっと、安心。ここで怒ってしまったら、私の命が危なかっただろう。


 「コーヒーとミルクは混ぜたら、どうなる?」

 「・・・ミルクコーヒー。」

 「じゃあ、ここに砂糖を足したら?」

 「・・・ミルクコーヒーじゃないの?」

 「他にも言い方があるだろ。」


他の言い方ねぇ。何か、あったっけ?


 「ヒントは、仏蘭西語。」

 「ふらんす?」


フランス語・・・知らないんだけど。
一体、何が言いたいのよ、冬獅郎は。
未だに悩む私を諦めたのか、冬獅郎は口を開いた。


 「カフェオレとか。」

 「おぉ、なるほど。それならカフェラテもいけるね。」

 「名前を変えるなんて、それと似たようなもんだろ。」


素直にうんとは言えないけど、確かに分かりやすかったかな。
そこは感謝しよう。だけど・・・


 「それだけの為に私のコーヒー台無しにしないで!」

 「な!?どうせ、は飲まなかっただろうが、そのままで!」


食べ物の恨みは怖いのだ。




-back stage(あとがき)-
冬:・・・なんだ、このヘンテコな展開は。
管:冬獅郎がまだ恋愛は『お子ちゃま』だっただけでは?
冬:(斬魄刀をの柄を握る)
管:や、やだなぁ、冗談ですってば。
冬:だったら、前言撤回しろ。
管:証明してくれなきゃ、しない。
冬:そんなの、が俺とまた会いたいと思わなきゃ無理じゃねぇか!

2005.09.12

他の科目も見てもらう方は、ブラウザでお戻り下さい。

もう解決したから、寝室へ戻る