「古文ねぇ。ま、難しいわな。」


課題のプリントを雑に持つあたり、やる気があるのかと聞きたくなる。
しかし、教えてもらう立場としては言えない。


 「教えてくれる、恋次?」

 「だりぃ。」


・・・は?
いや、ちょっと待ってください。
私の宿題を勝手に放り投げないでよ。


 「電話で頼んだら、オッケーしてくれたでしょ!」

 「こんな面倒なのだとは思わなかったんだよ。」

 「いいから、手伝いなさい!」

 「なんで、いきなり命令なんだよ。」

 「言うことが聞けない生き物には、命令が一番でしょ。」

 「ちょっと待て。俺は何か?野生動物の扱いか?」

 「そのとおり。」

 「じゃあ、はアレだな。『ちょー我侭で生意気な小娘』ってやつだ。」


あぁ、言い返されてしまった。
内容的には、事実かもしれないけど・・・


 「少なくとも、恋次とは違って、私は人間だから許す。」

 「あ゛。」


馬鹿め。勝ち誇った笑みで恋次を見つめた。
すると早速、反撃が始まった。


 「ま、人間のより頭が良いから、関係ねぇか。」

 「そんなの、この話と関係ないでしょ。」

 「じゃあ、お前さ。古文だったらどの文法が好きなんだ?」

 「え?そうだな・・・『〜だろうか、いや〜でない』かな。」


思いつくものを言ってみただけなんだけど。
恋次には大きなため息をつかれた。


 「それ、『反語』じゃねぇか。」

 「あ、そういう名前だったね。」

 「ちなみに、漢文な。」

 「へ?」

 「その文法は、漢文。古文じゃねぇよ。」


・・・馬鹿全開、ですか?
うわぁ。自分、格好悪い。
大声で笑う恋次を睨みつけても、黙らない。


 「恥かしいんだから、もう笑わないでよ。」

 「いや、そりゃ無理!だってよ・・・くくっ。」


あぁ、どんどん惨めになってくると同時に怒りがこみ上げてくる。


 「黙れー!」


何時までも笑い続ける恋次を部屋から蹴り出して、もう中へは入れてやらなかった。





-back stage(あとがき)-
恋:は!?ちょっとまて、俺はお前の好きなキャラじゃなかったのかよ!?
管:好きだよ、もちろん。
恋:だったら、なんでこんなオチなんだ!
管:朽木隊長が甘くなければ、あんたも甘くしちゃいけないのよ。
恋:意味分かんねぇ。関係ねぇだろ、そんなこと。
管:あ、バレた?
恋:・・・ちくしょう!おい、!この馬鹿にもっと甘いの書くように言ってやれ!

2005.09.12

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