香ばしい匂いをかもし出す紙袋を腕に抱え、はある所へ急いでいた。
食べごろ
「聞いてくださいな、普賢さん。」
芝居がかった台詞で明るく接するに普賢は顔を向けた。
「何ですか、さんや。」
彼女に合わせて答えてみれば、嬉しそうに笑う。
「とうとう、できたのよ!」
「何が?」
「『焼き芋を一分で用意できちゃうぞ、すごいだろ焼き箱』が!」
「・・・・・・ごめん、が何を言ってるのか理解できないんだけど。」
普賢の笑顔が若干ひきつってしまったが、は気にせず話を続けた。
「そうだった。極秘で進めてたんだよ、この話。」
この僕に秘密だなんて、もやってくれるじゃないか。
しかし、普賢は彼女が自分に真っ先に秘密を明かそうとしてくれたことから、見逃すことにした。
「秋といえば、なーんだ?」
「なら・・・食欲の秋かな。」
「え、私そんなに食いしん坊に見える?」
「少なくともスポーツでも読書でもないでしょ?」
説明してあげれば、確かに、と頷いてまた話を続けた。
「秋といえば、やっぱ焼き芋!てことで、すぐに食べれる宝貝を作ってみたんだ。」
「作ってみたって・・・一人じゃないよね?」
どんな仙人だって、宝貝を簡単に作るには時間がかかる。
協力者は誰であるのか、普賢は気になった。
「太乙と雲中子に協力してもらった。」
どこかしら偉そうに伝えるを見て、正確には無理やり協力させた事を悟った。
「それで、味の方はどうなの?」
「すんごく美味しいの!ほら、できたてを持ってきたんだ。」
差し出された焼き芋を口にし、普賢は驚いた。
「確かに、美味しいね。」
「でしょ?これで、何時でも簡単に食べられるんだよ。」
誇らしげに語るを見つめていたかと思えば、普賢はに口づけをした。
始めは壊れ物をそっと撫でるかのような舌の動きが、徐々に激しくなってきた。
息を整える為に間を置いた普賢は、口元を緩めた。
彼のこれから言う言葉は、に拒否権を与えさせなかった。
「個人的に、を何時でも食べられるようにしたいな。」
-back stage-
管理:突発的に書いてしまった、普賢夢。どう?
普賢:ちょっと、僕のイメージじゃないかな。
管理:・・・もしや、読者の中にはこれを求める者もいるやもしれん。
普賢:さりげなく間違った言葉遣いで望ちゃんの台詞、使ってるね。
管理:・・・・・・。誰かにあげちゃおうかな、この作品。
普賢:もらってくれるかな?
管理:・・・・・・(ブラック降臨!)。
2005.10.25
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