『今まで通り太公望ってコトにしといてくれ』




その言葉は、彼の存在を消すこととならないのだろうか。





陰陽





 「なんで?」


皆が太公望が帰ってきたことを歓迎する中、私だけは拒否する。


 「なんで、『太公望』なの。」


最終決戦を直前にしている時に足を引っ張るのもどうかと思う。
それでも、私としては気になる問題なのだ。


本人は私が言っている意味を分かっているのか、説明をしてくれた。


 「わしが光だとすれば、あやつは闇だ。」

 「そんな事、知ってる。聞いてるよ、彼から。」

 「今、こやつらには『わし』が必要なんだ。」

 「分かってる。だけど、それは『貴方』の体じゃ無い。」

 「おぬし、いい加減にせぬか。」


私を睨みつける目は『彼』の目。
だけど、私が今相手にしているのは、『彼』じゃない。


彼は、聞こえるように舌打ちをすると、手に腰を当てて私を見つめてきた。



無駄だよ。どんなに『彼』の動きを表したって、動じない。



 「。いい加減にしろ。」



分かってる。『貴方』は、そうなることを望んでいた。



 「可笑しいよ。なんで『伏羲』じゃないの?なんで『王奕』じゃないの?」



『王天君』の存在が消えるわけではないけど。
彼が忘れられていく存在となってしまう。



 「オレを困らせるな。」



今、ここではっきりさせなきゃならないんだよ。
ちゃんと、ここに存在することを伝えなきゃ。



もう一人の『彼』が混ざっているせいか、初めて優しく抱きしめられた。
辛そうに声をかけてくれるのも、『彼』のせいなの?



 「。オレは消えねぇし、お前を忘れたりしねぇよ。」



ぶっきらぼうな言葉は、やっぱり『王天君』のものじゃなかった。
だって、こんなに暖かいものじゃない。
今の台詞で、私が愛されてるんだと思えることが可笑しい。
これは『太公望』のおかげなの?



 「戦いが終わったら、『王天君』ともっと喋りたい。」



震える声で発した言葉に、『太公望』は私たちを見守ってくれているかのように微笑んでくれた。









-back stage-

管:以上、ありきたりだけど私が大好きなお話パターンでした。
王:けっ。くだらねぇ。
管:なにおぅ!?仕方ないでしょ、4人とも好きなんだから!
王:お前・・・話のパターンよりも、そっちが重要だったろ。
管:自己満足でなければ、夢なんて見られないわけですから。
王:(逃げやがったな)

2005.09.27

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