「ジェーイド君♪あっそびましょ♪」


ジェイドが開いた扉をすぐさま閉めたのは、言うまでもない。



welcome!




彼が再びドアを開けるには、そう時間が掛からなかった。
大声でひたすらドアを叩かれて、開けない人はいない。


 「遊ばないから、帰ってくれない?」


サフィールといい、この少女といい。
自分の周りには、騒々しい者しかいないのだろうか。
文句を言っても付きまとうを突き放せば良いのに、彼はしない。

正確には、妹がさせなかった。
ネフリーは、この少女を気に入っているのだ。






結局、に無理矢理連れられたのは、彼女の家。
今まで案内されたことのない部屋に辿り着くと、は誇らしげに手を広げた。


 「私のお城!」


自慢げに言う彼女は、自分に割り当てられた部屋をジェイドに見せびらかす。
そんな彼女の喜びを彼は何時ものごとく壊してあげた。


 「やっと一人で寝れるようになったんだ」

 「ちっがーう!やっと自分の部屋をもらえたの!」

 「だから、なんとか一人で過ごすことができるようになったんだろ」


言い返したくとも、は言い返せない。
つい、この間まで彼女は親と一緒に寝ていたのだから。


 「ふーんだ、ジェイドは私が羨ましいんでしょ、こんなに広い部屋をもらえなかったんだから」

 「ああ、こんなに広かったら、ホルモン漬けが並べられるな」


正気とは思えない発言にが青ざめる。
それを見たジェイドは、鼻で笑った。


 「う、嘘は泥棒の始まりなんだから!」


彼女が怒鳴っても、ジェイドは平然とした顔で部屋を出ていく。
帰ろうとしているのに気付くと、は慌てて止めた。


 「何、用件は済んだんだろう?」


確かに、見せたいものは見せた。
しかし、友人の家に招かれたら、そのまま遊ぶものではないのか。


 「うーんと、お母さんが昨日ケーキ焼いたんだけど、食べる?」

 「要らない」


お菓子で心を揺さ振る作戦は失敗に終わる。
だが、どうしてもジェイドを帰らしたくなかったは彼の服の端を掴んだ。


これも腐れ縁のせいだな。
すがってくる彼女の手を離せず、ジェイドは諦めた。


 「幼稚な遊びはしないからな」


残ると意志表明した彼には元気良く了承した。





 「なら、ママゴトしよう!」

 「聞いてないね、人の話」











-back stage-

管理:幼少なジェイドのツンツンさが愛おしくて突発的に書いてみた。
ジェ:本当に突発ですねえ、私の子供時代はもっと可愛らしいですよ?
管理:あはは、そんな台詞が君の口からでるとは思わなかったよ。
ジェ:おやおや、そんなに可笑しかったですか?
管理:い、いえ・・・別に・・・
ジェ:遠慮せずに言って下さって構いませんよ。
管理:す、すんませんしたー!!

2007.06.12

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