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 「おや。押し倒されてしまいましたね」


見掛け上、不利な立場なジェイドは呑気にしている。

命の危険が無いからなのか、相手が自分の恋人だからか。
ハルが彼の体の上にまたがっていても、ジェイドはハルの目を見つめるだけ。

一瞬にしてクシャクシャになったシーツなど目もくれず、ハルは噛み付くようにジェイドに口付けた。


 「なーに、初めて二人きりの夜を過ごすっていうのに、随分と素っ気ないわね」


ハルにされるがままな彼氏に文句をつけてみる。
彼は含み笑いをするだけだ。


 「ここは若くて積極的なハルに任せようかと思いまして」

 「なら、任せられちゃおうかな」


彼の眼鏡に手を伸ばすと、任せると言ったばかりの恋人が止めた。


 「これは私のステータスですから外せません」


にっこりと微笑むと、また手をベッドのうえに休めた。
呆れた彼女は、一度身を起こす。
カチッと金属の音がしたかと思えば、すぐにまたジェイドの上に覆いかぶさった。


 「変なこだわりだこと。なら、ジェイドは下ね」


彼の手首を一度掴む。
そして、今度は甘くて優しいキス。
彼女の手がジェイドの服を脱がしているというのに、彼はまだ手首が押さえ付けられているように感じた。


 「私が下で納まると思うんですか?」

 「眼鏡をかけたまま、顔を下に向けるのは容易じゃないでしょ」

 「関係ありませんよ」

 「キスをするのにも邪魔だろうし」

 「試してみますか?」


ジェイドの胸板に顔を埋めるハルの背に手を伸ばそうとしたが、腕が動かない。
彼は諦めるしかなかった。


 「今度は何を作ったんです?」

 「何処でも、何にでも手首を抑えられるバンド」

 「バンドじゃなくて、手枷じゃないんですか」

 「そんな趣味は無いわよ」

 「・・・厄介ですね、音機関の技術は」


最初から上を譲る気が無かったんじゃないですか。
そう訴える彼の顔を気にせず、満足気に微笑むハルは服を脱がしていく。


回避しようのない状況になってしまったことが苛立つ。


明日にでも誰かに八つ当りでもしようと、彼は思考を巡らした。




trapped













-back stage-

管理:ふと書きたくなった、受身のジェイド。
ジェ:ああ、そんな無謀なことをしたから、話が短いんですね。
管理:そこは言わなくていいんだよ、それに私の書く話は元々短めです。
ジェ:そうですか、では頑張って下さい。
管理:・・・何を?
ジェ:次を。
管理:君を書くのは難しいんだけど、私も苛める側だから。
ジェ:そこを何とかするんですよ。貴女、馬鹿ですか。
管理:でも、そんな私の妄想を黒月さんが絵にしてくれました。
ジェ:物好きですね。できれば見せたくないのですが。ここをクリックすれば、その絵が出てきますよ。


2007.08.04/08.23追加

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