the wind pass by
「オレンジ卿、今夜は暇?」
また出てきたか、この女。
特派が身につける白衣を靡かせて近づいてきたのを無視して歩いた。
「ちょっと、オレンジー?本当に人間なら、口ぐらい利けるでしょ。それとも、本物のオレンジにでもなった?」
そこまで愚弄されて、黙っていられるわけがない。
とにかく、この女と関わりたくない事を態度で示しながら答えてやった。
「貴様にくれてやる時間など無い」
「あ、オレンジが喋ったー。果物でも喋るんだねぇ」
語尾を伸ばすのは、この女の上司に立つ奴もそうだからだろうか。
それが、余計に苛立たせる。
胸倉を掴んで無理矢理にでも黙らせようとすると、女は体の力を抜いた。
全体重が俺の右腕にかかって、重い。
仕方なく、そいつの体を支えれば、にやついた笑みで見上げられた。
「優しいんだー、オレンジって」
「・・・おちょくってるのか、俺を」
「そんなわけないじゃん。それより、オレンジって馬鹿なの?」
次から次へと失礼なことを言う。
何なんだ、こいつは。
「何が言いたい」
「さっきから私の名前を呼ばないから、忘れたかと思って」
「毎回、会う度に名乗られるわ、俺が消えろと言っても纏わり付くわ。忘れる方が難しいだろう」
そう。このと名乗る女は、しつこかった。
俺が不名誉な事件を起こしてから・・・いや、あれは全部ゼロのせいだが。
そんな事は、どうでも良い。
この女は、俺がオレンジと呼ばれるようになってから、突然現れた。
そして、好きなだけ俺を侮辱すると帰っていく。
何故だか、このと言う女のオモチャにされてる気がしていた。
「じゃあ、私の名前を言えるの、オレンジ君?」
「、だろう。それより、それで呼ぶのは止めろ。吐き気がする」
「オレンジって言い始めたのは、ゼロだもんねー。嫌な思い出?」
「当たり前だろう。おかげで、貴様のようなしつこい女にも出会ってしまったんだ」
睨んだって、女は動じない。
その女の腰に手を回していたのを思い出して、手を離した。
「残念。もう少し、抱きしめられたかったのに」
「それなら、始めから色気で攻めてきた方が良かったんじゃないのか?」
最も、色気なんて見当たらないが。
仕返しを試みたが、は揺るがない。
むしろ、またしても俺が聞きたくもない話をしてきた。
「別に良かったんじゃない?チェリーじゃなかったから」
「チェリー?」
「そうだよ、チェリーボーイ」
顔を引き寄せられて、キスをされる。
反射的にの手を払えば、女は腹を抱えて笑っていた。
「しくじった。ゼロがオレンジに接触するって知ってたなら、チェリーを提案してたのに」
それだけを言い残すと、そいつはまた勝手に帰っていった。
-back stage-
管理:オレンジを苛めよう、第二弾。一個目は、お題のページ(23)に。
オレ:相手が変わっただけか!
管理:だから、苛め方が変わったでしょうが。
オレ:それだけで話を書くな!
管理:えー、まだ1つあるのにぃ。
オレ:もう止めろ!
管理:アニメに出てこないから、自分で補うしかないやん!
2007.01.29
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