女の楽しげな歌声が聴こえる。


その音が心地よくて、俺は再び眠ろうとした。
まだ目を開けてない、今の状態なら寝れるだろ。
そう信じて――。

 「、ユーリを起こすのに時間かかりすぎ…ええ!?」


カロルのやかましい声で、まどろむ意識が冴え渡る。
仕方なく目を開けると、がにこりと笑った。


 「おはよう、ユーリ」

 「ああ…」

 「呑気に挨拶してる場合じゃないでしょ!」


やけに騒々しいカロルに、が顔を向ける。
その時、やっと、が寝てる俺の上に座っていることに気づいた。

ちゃんと気を遣って、体重をあまりかけてなかったからかもしれない。
そんなことを考えてる間に、カロルは居なくなっていた。
はまた笑いかけてくる。


 「気にしないで寝てていいよ」


そう言われてもね…
カロルが迎えに来たってことは、急いだ方がいいだろう。

俺は体を起こそうとした。
が、何故か体の自由がきかない。
なんとか、頭だけでも動かす。


 「ビリバリハの花粉を使った痺れ薬を調合したから、まだしばらく動けないよ」


悠長に俺に服を着せているが俺の疑問に答える。


 「な、に…やってんだ!」


よく見れば、それはいつも着ている服でも称号の服でもない。
というか、俺が着るべきものではなかった。


 「おま、これ…」


痺れて自由に効かない体に鞭を打って、懸命に喋る。


 「ナース服がどうかした?」


靴まで履かせて完成を喜ぶを怒鳴りたくても声が出ない。


 「うん、似合うよ、ユーリ。すごく魅力的」

 「男、に…んなもん、着せんなっ…」

 「そうやって怒ると思ったから、麻痺させたんでしょう。分かってないなぁ」


俺の隣に寝転がり、胸を撫でてくる。
何が面白くて、こんなことをさせられてるのか分からなかった。


 「ただ純粋に、ユーリのナース姿を見たかっただけなの。それ以上はしないからさ」


ぎゅっと抱きついて離れない。
今の俺は、にされるがままだ。


 「それ以上してもいいって言われたら、そりゃ嬉しいけどね」

 「あく…しゅみ、だな」


少しずつだが、確実に痺れが引いていく。


 「失礼ね。それだけユーリを愛してるってことじゃない」


それを分かってるのか、がまた体を起こす。
ニヤリと笑うと、その手は下半身へと移った。


 「なっ、どこ触って…!」

 「本当ならね、ナースなユーリに、この注射を私に打って欲しいと思うのよ?」


変態だったのか、こいつ。
何でそんな思考ができるんだと思っていたが、人並みの理性はあるらしい。
すぐにそこから手を離してくれた。


 「あーあ、もっと色々遊びたいんだけどな…今度は、ちゃんとした薬を用意するか」


恐ろしい言葉の後に、口が塞がれる。
キスをしているだけだというのに、の唾液が俺のと混ざるだけで、犯された気分になる。

最後に今の俺の姿を覚えようとしてるのか、
上から下まで舐められるように見てから、は去った。



今まで起こったことを忘れようと必死になっている間に、全身の痺れが無くなる。
やっと自由に動けるようになって、まずは着替えようと服を探した。


 「おい」


アイツに人並みの常識はないと考えた方がいい。


 「俺の服を返せ!」


部屋から出られず、俺は精一杯、叫ぶしかできなかった。



















- back stage -

CPだとナース服ネタあるけど、夢ではないよね。
それが理不尽に思えたんだ。
初ユーリ夢がこれって、私、腐ってるなユーリを愛しすぎてるね!

2009.09.25

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