気づけば時は過ぎていて。
時は、木の葉の里での中忍試験となった。
また、会おう
〜2nd story from Gaara's view point〜
『うちはサスケ』の事を考えながら歩いていると、反対側から2人ほど歩いてくる。
恐らくはすれ違いになるだけだろうと気にもかけなかった。
「我愛羅?」
だから、声をかけられるとは思わなかった。
しかも懐かしい声を。
振り返ってみれば、そこには数年前ー幼い頃に出会った女が立っていた。
「誰だ、お前は。」
嘘だ。俺はこいつの名を覚えている。
「あー、忘れちゃったか。仕方ないよね、我愛羅小さかったし。」
お前の名前を知っているのに。
「だけど、我愛羅はすっかり格好良くなっちゃったねぇ。」
ちょっと思考を入れながら喋ると語尾がのびるのも変わってない。
「我愛羅は・・・あ!あれ?中忍試験受けに来たの?」
明るく接する俺に対して、の連れは露骨に嫌そうな顔をしている。
そしてこの俺に対して、恐れをも抱いている目。
何故だか、この男を見ていると胸の奥がむかむかしてきた。
「。もう行こう。」
その男がの腕を引っ張り、逃げるように去っていく。
「え、あ、我愛羅!また喋ろうね!」
それでもは俺に別れを告げてくれた。
すると、不思議なことに変な苛立ちは霧のように晴れていく。
「我愛羅。あの人、知ってるのか?」
俺は、背後で何が起こっているか分からない兄弟の言葉を無視して、再び歩き始めた。
に再会して、気になる事は色々あった。
まずは何故外見が変わっていないのか。
あれから数年が経っているという事は、あいつも成長していて可笑しくない。
だが、今日出会ったの姿は変化がなかった。
昔の15、6才の容姿と同じだ。
原因が何なのかは分からないが。
次にあいつの格好。上忍が着用する服装。
に忍としての才能があるとは知らなかった。
そして、最後に。
今日一緒にいた男とどんな関係なのか。
一番関係ないことのはずなのに、これが一番頭から離れない。
恐らくは、最後に男に睨みつけられたあの目。
その目は敵意は敵意でも、殺しとは関係ない感情が含まれていたからかもしれない。
「我愛羅、おはよう!」
中忍試験の会場へ向かう道で、またと出くわした。
いや、正確には待ち伏せされていた。
「なんか違和感あるな、『おはよう』て言うの。」
何時も夜に会ってたもんね、と相変わらず笑顔で話しかける。
無言で見つめる俺に対して、は何かを思い出したかのようにポンと手を打った。
「私のこと覚えてないんじゃ、名前も知らないよね。」
スッと手を差し出されたかと思えば、昔と変わらない優しい笑みで俺を見つめた。
「私は、。」
しかし、俺は馴れ合いなどしない。
そのまま彼女を通り過ぎて、会場へと向かった。
またね、と後ろから声が聞こえたけど何も言わなかった。
何故だか、言えなかった。
-back stage-
我:相変わらず、意味不明だな。
管:文才が無いせいですかね。
我:それ以前の問題だろう。
管:ひどっ!でも、いいんですー。
我:お前が拗ねても可愛くない。
管:グスン。これは、連載の序章みたいなもんなんだよぉ。
2005.09.16
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