『またね、我愛羅。』


うずまきナルトとの激戦の後、の声が聞こえた。






また、会おう

〜final story from Gaara's view point〜







木の葉崩しが失敗に終わり、その後とは出会わなかった。
いや、正確には出会えなかった。



失敗で終わったうちはサスケの奪還に協力した後、木の葉の里に寄った。
その頃にはうずまきナルトのおかげで、自分は変わろうと思えていた。


だから、真っ先にに会いたかった。

本当は名前を覚えていたことを伝えたかった。

本当はずっと会いたかったことを伝えたかった。


そして、何故の事を考えると、俺の胸がこんなに苦しいのかを聞きたかった。




あいつは、もう木の葉にいなかった。




突然の出来事だったらしい。
木の葉の里が砂と音の忍の奇襲を乗り越えた晩に行方不明となったと聞いた。
次の日の朝、なかなか出勤に来ないに会いに来たところ、部屋はもぬけの殻だったらしい。





だが、俺はまたに会える気がした。
確かに、の声を聞いたんだ。
また会おうと言ってくれた、の声が。






 「我愛羅、報告だ。」


風影となった俺の部屋にテマリが入ってきた。


 「面白い内容だぞ。きっと、お前も食いつく。」


にやけた顔で俺を見つめている時は、明らかに何かを企んでいる時。


 「何だ。」

 「お前、って女を捜してるんだろ?」

 「お前には関係ない。」

 「だから、最後まで人の話を聞けよ。」


手を腰に添えて、俺に近づく。


 「さっき、お前の寝室に侵入者が現れた。」

 「それがだと言うのか。」

 「外見年齢は、多少上がっていると思うけどな。」

 「その女は何処にいる?」

 「寝室に待たせてある。」


仕事を放って急いで寝室に向かう。
だが、いざ扉の前に立つと緊張してきた。


心の準備をしてから、ゆっくりとドアを開けると、変わらない笑顔では迎えてくれた。


 「こんにちは、我愛羅。」


また再会できたは前回とは違い、確かに年齢を重ねた容姿だった。
幼さはほとんど無くなり、顔が引き締まっている。


 「その挨拶も初めてだな。」


何を言えば良いか分からない俺は、誤魔化す。
しかし、は嬉しそうに笑った。


 「そういえば、そうだね。」

 「どこから来たんだ。」

 「どこから来たんだろうねぇ。」

 「・・・相変わらずだな、は。」


口元が勝手に緩む。


 「あ、我愛羅が笑うの久しぶりに見た。」

 「俺にとっては、お前が顔を見せる方が久しぶりだと思うが。」

 「そうか。また数年経っちゃってるよね。どうりで、格好良くなったわけだ。」


また照れるようなことをスラッと言ってくれる。


 「。何時もどこへ消えるんだ。」


前から聞きたかった質問に話題を切り替えた。


 「知らない。気づけば、何処かに居るの。」


なんとも不思議な回答。
だが、俺が気にしているのはそこではない。


 「また・・・いつか消えてしまうのか。」


不安なんだ。また目の前から消えてもらわれては。





 「もう消えないよ。なんとなく、そう思う。」





本当かどうか分からないが。
その言葉を聞いて安心した俺は、ゆっくりとに歩み寄ってを抱きしめた。












-back stage-

管:とりあえず、序章ー我愛羅視点、終了です。
我:中途半端だな。
管:(グサッ)そ、それをヒロイン視点で補うつもりです。
我:不可能だろ。
管:・・・冷たいね、我愛羅・・・

2005.09.16

ブラウザでお戻りくださいませませ