瞬きをすれば、そこは見たことも無い景色。

辺りを見渡せば、どこかの屋根の上に私は座っていた。




また、会おう

〜1st story from Heroin's view point〜






さて、何故ここにいるのだろう。


まずはその問題を解決させなければならなかった。


しかし、どんなに考えたって、答えは出てこない。
あまりにも情報が少ないのだ。




 「君はだれ?どこから来たの?」




とりあえず自分がパジャマを着ている事から、寝る前に何処かへ飛ばれた事しか分からない。
結論を出したところで、この家に住んでいるのか、赤毛の男の子が話しかけてきた。


 「どこから来たんだろうねぇ。」


こっちが知りたいな、と思ったことをそのまま口にしてしまった。


男の子は私が怖くないのか、私の隣に腰をかけた。
一応、警戒心を深めさせないために微笑みかける。


 「君はだれ?」


もう一度問われれば、答えるしかない。


 「。あなたは?」


この子から少しでも情報が得られるかもしれない。
そんな気持ちで会話をしようと試みた。


 「・・・我愛羅。」

 「我愛羅・・・格好良い名前だね。」


なかなか意味深な漢字があてられてるなぁ、と呑気に思ったけど率直な意見を告げた。
すると、我愛羅は照れたのか顔が上がらなくなった。
可愛いなぁ、このぐらいの年齢の子供は。


微笑ましく見つめていれば、我愛羅は上目遣いで聞いてきた。


 「また明日・・・会える?」


その顔が、声が、姿が愛らしくて。
まだこの子とずっと話していたいと願った。


 「会えるよ、絶対に。」






実際に私はそれから毎晩、我愛羅に会った。
彼が家の中に戻るのを見届け瞬きをすれば、次の日になっていた。
不思議な事もあるものだ、と思いつつ今のこの状況が幸せなので気にしないでおいた。


我愛羅が私に心を開いてくれた7日目の晩。
私の頭の中で、何かいつもとは違う事が起こる予感がした。


 「実はね、我愛羅。今晩が最後かもしれない。」


もっと会いたいと願う男の子になるべく優しく告げた。
案の定、彼は私が何を言いたいのか分かっていないようだ。


 「今晩が終われば、しばらく会えない気がするんだ。」


少なくとも君の時間で考えたら、と心の中で呟く。
なんせ私は瞬き一つで時空移動ができたのだから。


 「な、なんで?」


一生離さないという気持ちがこもっているのか、我愛羅は私の腕を強く握った。
そんな彼に私は頭を撫でてやる。


 「大丈夫。また、会える。そんな気がする。」


もしかしたら、これは気休めかもしれない。
本当は、もう会えないかもしれない。


だけど、私はまた会いたいと願うから。
今は悲しそうな顔でお別れしたくはないから。





私の体に寄り添って眠り始めた我愛羅を床に寝かせ、まばたきをした。










-back stage-

管:やっとこさヒロイン視点で話を進めます!
我:・・・・・・
管:どうした、我愛羅?
我:いや。まるでがショタコンのように映って見え・・・。
管:はい、では次に行きましょうか!
我:(無視か)

2005.10.25

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