中忍試験の最中に木の葉の里が奇襲にあった。


それ以前に、私は我愛羅の事が心配だった。






また、会おう

〜final story from Heroin's view point〜







適当に木の葉の里を襲ってきた忍を倒しておくと、私は急いで我愛羅を追った。
行く途中、木の葉の下忍が戦っていた気配を感じたが、それを無視して進んだ。


何故だか、我愛羅の身に何かありそうな予感がして。
懸命に走り続けていた。



だけど、手遅れだった。
巨大な生き物たちが戦っていたかと思えば、それは消えて森に静寂が戻っていた。





見つけた。


双方とも限界まで戦っていたのだろう。
我愛羅と金髪の少年が横たわっていた。


私は我愛羅に寄ってみると、彼の意識が朦朧としていることを悟る。


 「辛かったんだね。」


彼の髪を指に絡めて、思わず呟いてしまった。
本当に。私は根拠もなく、何故そう思ったんだろう。


 「またね、我愛羅。」


今回だって会えたんだから、また会えるはず。
次に瞬きをしたら、何処に行くんだろうね。










目を開ければ、真っ白なベッドの上に座っていた。
今度は何処に来たのだろう。


ふと外を眺めてみれば、見慣れた風景が目に入った。
夜の街しか知らないはずだけど、建物の作りが我愛羅と出会った場所と似ている。


もしや、と思っている所に女性が入ってきた。


 「あ?誰、あんた。」


特に慌てる様子もない女性には安心した。


 「です。」


馬鹿正直に答えるのもどうだろう、と思いつつ相手を見ていると何処かで見た気がした。
何処で会ったのだっけと考えていると、相手も何かを思い出したかのように聞いてきた。


 「って・・・もしかして、我愛羅の知り合いの?」


私の事を知っていることに驚きを隠せないでいると、相手はニカッと笑った。


 「あ、私はアイツの姉。よろしく。」


姉?そういえば、我愛羅と木の葉の里で出会った時、後ろにいた女の子と似ている。


 「ああ!あの時に見たのか。」


一人で納得していると、テマリと名乗った彼女は苦笑いだった。


 「どうでもいいけど、どうやってアイツの寝室に侵入したんだ?私じゃなかったら、捕まってたぞ。」


侵入はまだしも・・・捕まってた、とは?
何だかとんでもない現れ方をしたのか、自分。


 「待ってろ。我愛羅を呼んできてやる。」


彼女が部屋を出て行き、私はそのままベッドに寝転がった。

もし彼女が我愛羅のお姉さんだとして。
前に我愛羅と一緒に居たのも彼女だとしたなら。


また時間がたくさん経ってしまったという事。
大分大人っぽくなっちゃったもんな。




部屋のドアに人がいる気配を感じた。
我愛羅だろうか。

彼が入ってくると思うと、いてもたってられなくなり、ベッドから身を起こした。
少しずつドアの前へ歩み寄れば、扉が開かれた。


 「こんにちは、我愛羅。」


また格好良く成長した彼を前に、緊張した。
我愛羅の無表情は相変わらずのようだけど、彼の言葉は暖かかった。


 「その挨拶も初めてだな。」


以前の会話を覚えてくれていた事が嬉しくて、口元が緩んだ。


 「そういえば、そうだね。」

 「どこから来たんだ。」


初めて出会った時と似たような事を聞かれても、率直な意見しか言えないよ?


 「どこから来たんだろうねぇ。」


少なくとも、もう貴方の傍から離れないと思うよ。


 「・・・相変わらずだな、は。」


あ、久しぶりに笑った顔を見たかも。
その嬉しさを伝えるべく言葉にすれば返事がきた。


 「俺にとっては、お前が顔を見せる方が久しぶりだと思うが。」

 「そうか。また数年経っちゃってるよね。どうりで、格好良くなったわけだ。」


こんなに格好良くちゃあ、女の子に不自由していないかもしれない。
ほんのちょっぴり、寂しくなった。


 「。何時もどこへ消えるんだ。」


頻繁に現れたり消えたりする私は、迷惑だったのかな。
だけど、その答えは私も知らない。


 「知らない。気づけば、何処かに居るの。」


頑張って笑顔で答えた。
私の存在が邪魔だというなら、私は消えるから。





 「また・・・いつか消えてしまうのか。」





意外にも我愛羅の声は掠れていた。
彼の目を見つめれば、真剣に私を見つめ返してくれる。


自惚れても・・・いいんだね。


 「もう消えないよ。なんとなく、そう思う。」




我愛羅に抱き寄せられて流れた涙は暖かかった。











-back stage-

管:やったね!序章終了!
我:喜ぶことか?
管:だって、これでこの設定を使ってイチャイチャラブラブできるのよ!?
我:そ、そうか・・・
管:お!今回は我愛羅くんも喜んでるな。
我:お前の気のせいだ。
管:(もっと素直になればよいのに)

2006.01.27

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