※ゲームのネタバレ注意※














ひょんなことから、ユーリやエステル達と旅をすることになりました、です。
しかしながら、薬師を生業としてるため、戦闘には参加できません。
その代わり、料理や仲間の健康管理には気をつけてます。


ですので、今日も魔物と戦う仲間の背後に隠れて待機中なわけでございます。
・・・あ、あんなところに珍しい薬草がある。


 「ちょっと、ちょっと!ちゃん?動いてもらっちゃ困るんですけど!」

 「諦めなさいよ、おっさん。絶対に聞こえてないから」


あ、これって滅多に見つからない毒草だ。人を殺めるにはいいのよね。
念には念をってことで、一応採取しておくべきかな。


なんて、つい夢中になってたら、目の前に影ができてしまいました。
私、丸腰なので、ピンチでございます。


 「!」


エステルの声が聞こえたかと思えば、目の前の魔物に数本の矢が突き刺さる。
魔物が怯んだ隙に接近していたユーリが止めを刺した。

見事な連携です。
いつもこうして助けられてる私が言えたことではありませんが。


 「これで終わりだな。、採取するなら早くしとけよ」

 「はーい」


これが何であるかを追及せずにやりたい事をやらせてくれるユーリは、本当に良い人。
だというのに、もう一人は煩くて仕方ありません。


 「頼むから戦闘中は動かないでって言ってるでしょう?」

 「危なくなったらレイヴンが助けてくれるから、安心しちゃってるの。そうでしょ、レイヴン?」


彼の名前を強調してあげるのは、愛ゆえにでございます。
愛ゆえに、ね。
面白く無さそうな顔をする彼を見るのも楽しいのです。


 「ホント、は俺様のこと愛しちゃってくれてるのね」

 「そうね。レイヴンは好きよ?」


あくまでも、名前を強調。


 「ていうか、あんた達、いつも同じ会話してて飽きない?」

 「愛を深めるのも大切だけど、そろそろ行きましょう。このままでは夜になってしまうわ」

 「ジュディスちゃん、誤解しないでよ。こいつとは何の関係もないんだって」

 「あら、私はあなたを愛したことがないから、平気よ?」


ジュディは、さらっと酷いことを言います。
レイヴン相手なら誰でもそうなるかと思いますが。
私も、相手がレイヴンだからこそ遊ぶわけです。


 「とは、あとで話す必要があるみたいだな」


しかし、残念ながら、度が過ぎると呼び出されます。











 「はぁ。一体、何がしたいわけ、君は?」


今夜の野宿する場所を確保してから、私達は仲間と別れた。
事情を知らない彼らがいる所では、できない話。


 「それをシュヴァーン隊長に言われたくないわね」

 「簡単にその名前を口にしないでよ。聞かれちゃったら、困るでしょ」

 「困るのは貴方だけだもの」


反論できないことを言えば、レイヴンは黙るしかない。
大きなため息をつく彼を前にして、勝ったと心の中で両手をあげた。


 「そうやって遊ぶのは、いいから。何がしたいわけ?」

 「それを知ってどうする気?」


真面目に返したのが意外だったのか、間が空く。
私だって、ちゃんとした理由ぐらいあるのに。
本気で遊んでるだけだと思ってたのかしら。


 「あいや、別にどうってわけじゃないけど・・・やっぱ落ち着かないじゃない?」

 「素性を知ってる人間が傍に居ると?」

 「あと、素性を隠してるを見てるのもね」


少しばかりいい子ぶってるかもしれないけど、そこまで隠してないわよ。


 「レイヴンに生きてる感覚ってのを味あわせたいだけよ。貴方、いつも死んだ目をしてるから」

 「死んだ目って・・・酷い言い様。これでも精一杯に生きてるわよ?」

 「だったら、もっとドキドキしてもいいんじゃない?」


レイヴンの左胸に右手をあてる。
魔道器が脈を打つ音なんて聞こえるはずも無い。
彼の胸に耳をつけていると、照れた様子のレイヴンが答える。


 「十分、ドキドキさせられてるって。勝手にうろついて、気づけば姿が見えなくなるんだから」

 「ということは、私の作戦は成功してるんだ」

 「勝手にうろつくのは、の性格だから仕方ないとしても。今もドキドキしてるよ、俺は」


そっと首筋に左手を添えてみる。
心臓の代わりになってる魔道器と違って、脈が打つのを感じた。
レイヴンが恨めたそうに見てきた。


 「分かってて、やってるでしょ?」

 「脈が測りやすい場所を知っておくのは、薬師として当然よ」

 「あちゃあ。まさかの天然でしたか」

 「何言ってるの、天然はエステルのことじゃない」

 「それなら、は鈍いってことで」


レイヴンが何を言いたいんだか、よく分からない。
理解できたのは、彼が私の両手を握ってからだ。


 「惚れてる女に接近されちゃ、どうにかしちゃいたくなるのが男ってもんよ?」


その笑みは、シュヴァーンの時のでも、レイヴンの時のでもない。
ただの男の顔だった。


そして、不覚にも私はそれに気をとられてしまったのだ。




こころ



 「あ、すごいドキドキしてる」

 「ちゃん、確認したいのは分かったけど・・・今のこの状況で脈を測るのは禁止だってば」















- back stage -

管理:まだヴェスペリアを1週しかクリアしてないのに、挑戦してみた!
レイ:いいの?サブイベントで何か都合の悪い事でも出てきたら、大変よ?
管理:大変だねー。
レイ:ううわ、適当!そんなんでいいわけ?
管理:間違えがあれば、こっそーり内容を変えるか、撤去すればいいだけ。
レイ:そんな簡単にポイ捨てしないで欲しいわ。
管理:あー、はいはい。頑張ってゲーム攻略すりゃいいんでしょう。

2008.10.20

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