始まりの予感
「マスター。恋とは何でしょうか」
問われた方は唐突な質問に驚き、パソコンのキーを強く押してしまった。
「今、何て言った?」
パソコンに顔を向けるのを止めて、ガオモンを見る。
DATSの一員が煎れた飲み物を口にしながら、聞きなおした。
「恋とは何でしょうか、と聞きました」
先程と質問の内容が変わらない。
ララモンにでも恋をしているのだろうか、と思いつつトーマは問う。
「お前は、恋をしていると思っているのか」
その言葉に、ガオモンは黙り込んでしまった。
時間がかかりそうだと感じたパートナーは、空になったコップの底を見つめた。
「トーマ、飲み物のおかわりを煎れてこようか?」
DATSの一員であるが近寄ってくる。
ああ、とぶっきらぼうに答える彼に、慌ててガオモンが口を挟んだ。
「飲み物ぐらいなら、私が煎れます」
「ありがとう、ガオモン。でも、平気だよ」
お前のその手ではいれられないだろうが。
しかし、普段のガオモンならば、そんな基本的な事は気付いているはずだ。
それにより、トーマは瞬時に彼の想い人が分かった。
そして、去ろうとするを引き止める。
「。君は、DATSの皆が好きか?」
「うん、好きだよ」
トーマは、メンバーの名を一人一人あげていく。
それに応じて、は丁寧に好きだと答えた。
ガオモンは、自分のパートナーが何をしているのかを理解できずにいる。
しかし、なぜだか何時自分の名が出されるかと緊張していた。
「ガオモンの事は好きか?」
きた。
何がきたのかは分からないが、ガオモンはごくりと唾を飲み込んだ。
「うん、好きだよ」
その言葉にガオモンは喜ばずにはいられない。
そして、自分がに好かれていることが嬉しいのだと気付いた。
ありがとう、と感謝の気持ちをトーマが述べると、は去って行った。
彼女の飲み物を入れる姿をじっと見つめるデジモンに声をかける。
「どうだ?」
「好かれる事が喜ばしいというのなら、これは恋かもしれません」
「そうか。ならば、僕も手加減なしでいくとしよう」
惚けた顔で自分の顔を見るパートナーに、彼は不敵な笑みを見せた。
「言っておくが、は他にもたくさん好かれているぞ」
の心を射止める戦いは、すでに始まっていた。
-back stage-
管理:相手は誰なんですか?的なお話ですみません。
ガオ:これだったら、誰でも良かったんじゃないんですか。
管理:ガオモンが一番ピッタリだと思ったんだよ(笑
ガオ:それで選ばれるのは、名誉だとは思えないんですが。
管理:ガオモンを書くので難しかったのは「イエス、マスター」以外の台詞考える事かな。
ガオ:そういえば、その台詞を言ってませんね。
管理:ね〜、珍しいことに。
ガオ:・・・喧嘩を売ってるんですか?
2006.08.29
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