堕ちる、堕ちる、何処までも。

ちょっと手を伸ばしたところで、何にも届かない。

ただ、ただ、沈んでいく。

そして、最後は全てが消えてなくなる。










 「俺はブックマンになる・・・ならなきゃなんねぇ」


苦しげに繰り返すラビが荒々しくを抱く。
彼は己の感情に飲み込まれないように必死だった。


 「好きよ、ラビ・・・愛してる」


はラビの思うがままにされる。
彼女は己の欲情に忠実で幸せそうだった。


 「俺は・・・嫌いさ、なんて・・・」


口で言っていることと、手がやっていることは一致しない。
彼はの身体を乱暴に触れていたが、傷はつけないよう注意していた。


 「私はラビが、だぁい好き」


優しい口調でラビを誘惑する。
その見えぬ手は、彼の首を絞めていた。


 「へっ・・・なんて、死んじまえばいいんさ」

 「ラビは長く生き永らえばいいわ」



逢瀬の度に交わされる言葉。

いつもと変わらない内容。

いつもと変わらない状況。



 「どうして・・・」


若さゆえか。
耐えられなくなったラビが悲痛の声を上げる。


 「どうして、は伯爵の味方なんだよ」



時間はゆっくり流れない。

しかし、距離はゆっくりと縮まり、離れていく。



 「どうして、ラビは黒の教団の敵じゃないの」



指が、舌が、足が、心が絡みあう。

どれだけ近づいても、離れていく。



 「どうして」

 「どうして」



 「ここに幸せはないのだろう」





会う度に深まっていく。

戻れなくなる。

そして、終わりが見えなくなる。




刹那の夢











- back stage -

管理:あれ、初ラビ夢か?
ラビ:そうさねー・・・て、なんで、こんなに暗いんだ!?
管理:さぁ。君もピオニー(アビス)と同じく、報われない恋が似合うだから?
ラビ:それにしても、暗すぎるさ!もっと明るいのを書け!
管理:あ、それ難しいわ。ぶっちゃけ、君の口調、分かってないもん。
ラビ:なにー!?買え!今からでも遅くねえ、単行本を買え!
管理:なら、金出せ。
ラビ:・・・横暴さ、この人・・・

2008.05.17

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