『現世へ出かけるんですか?』
隊長に任命されて面倒なことは、あるかもしれない。
でも、仕事は何でか副隊長がほとんどやってくれるから、楽なもんだ。
だから、こうして遊ぶことだって出来る。
「邪魔だ、。早くどけ」
「久しぶりだな、黒崎。席、借りてるぜ」
私服のまま、黒埼一護という霊感体質な少年の席を奪う。
眉間に皺を寄せたままの学生が、まだ何か言おうとしていた。
「だから、どけって言って・・・」
「いっちごー!おはよーさん!」
浅野が飛びついてくるのを避けて、言い終える。
「るだろ。大体、は、ここの生徒じゃねえだろ」
「冷たいこと言うなって。俺が今日、代わりに授業受けといてやるから」
「それが通用すると思うか、普通?」
「さん、今日授業に参加するんだ」
俺たちの会話に小島も参加してくる。
何やら呻き声が床から聞こえてくるが、気のせいだろ。
「現国の教師だったよな、何事も気にしない先生ってのは」
「それが、お前が授業に出ていいっていう理由にならねえぞ」
「それなら放課後、さん、僕と一緒に出かけません?」
「お、イイ女と遊ぶのも良いな」
小島の選ぶ女はレベルが高いから、楽しめそうだ。
今日の予定が大体決まろうとした時、俺は黒崎の席から無理矢理、蹴り落とされた。
「なに馬鹿なこと言ってんの」
どこかの馬鹿の呻き声が続いてる。
たつきは、浅野の上に乗っているようだ。
彼女の後ろには織姫がいる。
「お、おはよう、くん」
「おっす、織姫。たつき、今の蹴り、もう少し手加減してくれ」
「これでも、かなり手加減したってば」
織姫が不安がるなら、仕方ないでしょ。
あくまで俺の為じゃないことを強調して、たつきは自分の席につく。
織姫もそれについていった。
「久しぶりに会ったっていうのに、つれねえ」
「照れてるんじゃないの?」
携帯をいじる小島の頭に、たつきの筆箱が当たる。
軽く物事を口にするべきではないと、俺は判断した。
さて、本当に授業に参加してみるか。
そう思った矢先、邪魔者が入る。
「様」
深紅色のチャイナドレスを着た、長い銀髪の女が現れる。
周りがどよめいてるのも気にせず、訊ねた。
黒崎達は、前にも会ってるからか静かに話を聞いてる。
「お前も面倒臭がりやのはずなんじゃなかったか?」
「進路は、こちらに向かってきています」
「担当のやつがいるだろ」
「間に合いませんよ、様ほどの実力者ではないのですから」
遊びに来ただけだったのに。
余計に面倒なことに巻き込まれちまった。
「黒崎、席は返してやるよ。小島、デートはまた今度な」
「また急な仕事か?」
「大変そうだね、学生と仕事の両立は」
早々に学校を出て、人気の無い場所に潜むと、俺は死神化した。
具象化していた俺の斬魄刀は、刀の姿へ変わる。
「なあ、極牙」
『何でしょうか、様』
「お前、たんに俺があいつ等と仲良くしてたのが気に食わなくて、邪魔してきたんじゃないか?」
『いけませんか?』
微笑まれたら、何も言い返しようが無い。
『彼等は人間です。感情的になりますと、別れの時が辛いですよ』
「はいはい、分かってるって」
『私は様の悲しむ姿を見たくありません』
「それも、分かってる。いつもお前には助けられてたさ」
虚の気配を探りながら答えれば、極牙は喋らなくなった。
「どうした?」
『私は、二度とあの時のような様を見たくないのです』
極牙の言いたいことが分かった。
喉の奥に苦い味がする。
「その話はしない約束だろ?ほら、敵のお出ましだ」
偶然にも虚の背後につけた俺は、虚の頭に飛び降りる。
そのまま、斬魄刀を突き刺した。
・・・一瞬で終わっちまった。
「これなら、ここの担当の死神に任せても問題無かったんじゃないか?」
「その通りだな」
担当、ルキアだったか。
声がした頭上に目線をやれば、ルキアは不機嫌そうにいる。
「私の仕事を奪われては困るぞ」
「悪い。俺の方が近くにいたから、被害小さくなって良いかなぁと」
頭をかきながら謝る。
許してくれたのか、ルキアはため息を吐いた。
「老舗の美味しい和菓子ぐらいで我慢しておく」
「は?お前、貴族の娘だろ。自分で買えよ」
「馬鹿者。奢られるから美味しいものだ、ああいうのは」
流魂街出身の名残か、それは。
苦笑しながらも、副隊長から連絡が入ったから尸魂界へ帰ることにした。
-back stage-
管理:今回の目的。ルキアを出す。
ルキ:その前に言う事があるだろう!
管理:ああ、はい。皆様のおかげで決まった斬魄刀がいきなり登場です。
織姫:活躍はしてないみたいだけど。
管理:相手のレベル低いからね。具象化した極牙がどういうタイプか出そうかと思って。
たつ:現世のあたしらは、今後どうすんの。
管理:ちゃんと絡める予定だから、怒らないで・・・
2007.05.25
ブラウザでお戻り下さいませ