『隊長。なに遊んでるんですか』



 「うわー。服が、ぶかぶか」


自分で言ってみて、なんだか楽しくなる。
僕は、ぶかぶかという言葉を何度も口にした。


その様子をマユリが興味心身に見てくる。
ネムが紙と筆を渡すと、早速、研究の成果を記していました。


 「。君は今、幾つかネ?」

 「6才ですよ。今の、死神として職についてる自分も記憶してるみたいですけど」

 「だが、口調も態度も当時のものになってるようだヨ。興味深い」


たんに容姿を幼くしようとしただけだったはずなのに、精神的にも若返っている。
その事を熱心にマユリは考えています。
違う結果が出たとはいえ、彼の関心を惹くには十分だったらしいです。


 「さんは、裕福な家庭で過ごされていたんですね」


自分の世界に入ってる父親を気にする心配もなく、ネムが話しかけてきました。
どうして、と理由を訊ねると、彼女はとくに表情を崩すことなく言いました。
気づいたら、僕は子供用の服を着せられていた。

 「子供が敬語で話すなんて、裕福な家の者でなければ出来ません」








 「へー、貴方が、あのなの」

 「はい。マユリと仰る方が、成長した僕に薬を飲ませたそうです」


あえて記憶がないフリをして、僕は食堂に足を踏み入れた。
小さな僕を女性が放っておくわけがなく、乱菊が最初に声をかけてきた。
事態を淡々と話した僕に、皆が感心しているようです。


 「昔の君は、しっかりしてたんだ」

 「き、清音!それはさんに失礼でしょ」

 「でも、かなり、しっかりしてるわよね」


勇音が清音を注意してくれても、乱菊が後押しする。
すみませんね、成長した僕はしっかりしていなくて。


 「これが君か。可愛いよね、君の小さい頃」


桃に頭を撫でられ、思わず顔が赤くなる。
そんな反応が良かったのか、突然、乱菊が僕を抱きしめてきました。


 「うん、可愛い!このまま食べちゃいたいくらいだわ」

 「松本さん!」

 「やあね、冗談に決まってるじゃない」


七緒が怒鳴ると、ころっと乱菊の態度が変わる。
ですが、僕を抱きしめてる力を緩めてくれません。
ちょっと・・・いえ、大分苦しくて、息ができません。

それに気づいたのか、七緒が引き離してくれました。
助かった。


 「でも可愛いです!」


今度は、清音に抱きしめられる。
まだ顔を押さえつけられてるわけでは無いので、息はできました。
妹の行き過ぎた態度に、姉がまた叱ります。


 「姉さんも抱っこする?」


どう捉えたのか、僕は勇音に手渡される。
急に感じた重さに戸惑ったらしいけど、軽々と抱えられてしまって、僕はつまらない。


 「僕を赤ん坊みたいに扱わないでくれませんか」


勇音を睨んでみたけど、今の僕では効果が無いらしい。
あまり大胆な行動にでない彼女が、僕をぎゅっと抱きしめてきました。


 「あ、ずるい!あたしもと一緒に遊ぶ・・・」


僕達に体当たりしそうな勢いで飛んできたやちるが、途中で止まる。
卯ノ花隊長が、僕を抱えたからだ。


 「せっかくですから、静かな所でお茶でもしましょうか」


皆に遊ばれているのを救おうとしてくれたのか、卯ノ花隊長が穏やかな笑みで提案してくれました。
好意に答えるべく、僕は子供らしい答えを言った。


 「お菓子もありますか?」


それが、どう女性死神達に映ったかは分かりません。
そのあと、やけに周りが騒々しくなったことだけは確かです。
今まで見ていただけのルキアが声を上げます。


 「よし、任せておけ!とっておきの白玉を買いに行かせてやるから、待ってろ」

 「く、朽木さん。誰に買わせるの?」

 「恋次なら暇してるだろう。お、それとも、たい焼きの方が良いか?それならすぐ用意できると思うが」

 「お菓子をすぐに用意するっていうなら、うちの浮竹隊長に言えば良いよ!何がいい?」


また出しゃばる清音に続いて、他の人達も口を挟もうとする。
それを卯ノ花隊長が一言で黙らせた。
笑顔が消えないのが、精神的にも幼くなったせいか、余計に恐ろしく思えた。


 「私と勇音が用意します」


この後、有無を言わさず僕は四番隊へ遊びに行くこととなりました。











-back stage-

管理:阿呆で定番な話を書いてみました。
乱菊:また微妙なところで、終わらせたわね。
七緒:続きはあるんでしょうか。
管理:・・・・・・え?
清音:え?じゃないですよ!これ、ありそうな雰囲気じゃないですか!
管理:うーん。もう次に行きたいんだけどな。欲しい??
ルキ:読者に聞くな!

2007.06.25

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