私が愛すのは貴方が最初で最後だと誓います。
その笑顔
「ネム副隊長、お昼一緒にどうです?」
マユリ様が目先にいるというのに何処の誰かが話しかけてきた。
命知らずな、と思ったのは私だけではないでしょう。
「誰だネ、君は」
案の定、興味をもったマユリ様は彼に聞いた。
「ネム副隊長をお昼に誘った男です」
茶化してるのか、言う気がないのか。
隊長相手に立ち向かった勇気は称える。
でも、それでマユリ様が許すわけが無い。
「そうか。ネム、行ってくるが良い」
意外な言葉をきっかけに、私達は急速に仲が良くなった。
彼はと名乗った。
だけど、今、記憶に残っているのはさんの笑顔のみ。
否。
彼の笑顔と彼の体から溢れた紅い液体のみ。
彼を殺した時、私は驚くほどに冷静だった。
マユリ様の人形となっている時よりも俊敏で。
恐怖なんて、なかったのかもしれない。
これで、彼を苦しませずに死なせる事ができたから。
さんと仲が良くなればなるほど、私は不安が募った。
マユリ様に作られた存在である私が幸せになって良いのか。
それを彼に言えば、そっと抱きしめてくれた。
心配することは何も無い、と。
絶対に幸せにしてやるから、と。
だけど、その約束を私が破らせてしまった。
自分で彼を殺めてしまったから。
怒られるかと思った。
何故、と問われるかと。
怒鳴られるかと思った。
裏切るのか、と言われるかと。
請われるかと思った。
死にたくない、と叫ばれるかと。
でも、彼は微笑んだ。
ありがとう、と呟いてくれた。
何故、私がさんを殺したのか。
何故、私が無感情で斬ったのか。
何故、私が何も言わないのか。
そのすべての答えをさんは分かっていてくれてた気がして。
地に伏した彼の体に近づくと、私はゆっくりと彼の髪を撫でた。
自然と流れる涙を拭ってくれる人は、もういない・・・。
-back stage-
管理:儚さが一番似合うぜ、ネムさん!
ネム:これじゃあ、私、いつ幸せになれるんですか?
管理:・・・絶対に今年中には書かせていただくから。
ネム:というより、リクはダークとは書いてませんよね。
管理:(やはり君は、れっきとしたマユリさんの娘だな)
2005.10.18
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