「ルーキーアちゃん♪あっそびましょ♪」


一年三組の教室に広まった声に答える者はいなかった。





理由





 「あいつなら、いねーぞ」


放ったらかしにするのも可哀相だと思えたのか、黒崎一護が返答した。


 「なんだ、可愛く言ってみて損した」

 「・・・気色悪ぃこと言うなよ」




一体どこへ行ったのかと、は外を歩き回った。
すると、一本の木の枝に座り込んでいる姿を発見した。


 「みぃつけた♪」


急に大声を出せばルキアは驚いて、木から落ちた。
だが、地面に落ちる前にが彼女の体を抱えた。


 「やっと捕まえたよ、ルキア」


微笑むの顔を直視できず、ルキアは顔を背けた。
何も喋ろうとはしない彼女には口を開いた。


 「お礼は無し?」

 「・・・あ、ありがとうございます、先輩」

 「で良いって」

 「・・・、先輩・・・」


ルキアは、何故この男に対してのみ体温が上がるのかが理解できなかった。


 「ま、いっか。ルキアが無事だったんだし」


額に軽くキスをすれば、ルキアは慌てて手を添えた。
その様子を見て、は更に笑う。


 「それに、ルキアの今日のパンツの柄が分かったしね」


ここで何時ものルキアならば、『馬鹿者』とでも叫んで相手を返り討ちしていたはずだ。
しかし、ウインクをして伝えられた様があまりに気障で、反応に遅れてしまった。


 「な、何を!」

 「ウサギが好きなんだ、ルキアって」


今度はお構いなしにスカートを捲って下着を見るに拳で殴りつけた。


 「痛いなぁ。お嬢様、意外と力があるんだね」

 「そ、それは、先輩が悪いんです!」


恥かしさのあまり涙がこぼれたが、ルキアはスカートを捲られないように手を添えるだけで精一杯だった。


 「大体、先輩は何で私に付きまとうのですか?」

 「何でって、好きだからに決まってるでしょ」

 「だったら!私が嫌がるような事はしないで欲しいんですが」

 「するなと言われたら、しちゃうでしょ」


ルキアの隙をついて、は再びスカートを捲った。
今度は蹴りの衝撃がの顔に感じられた。


 「ば、馬鹿者!」


は、顔を真っ赤にして怒るルキアを愉快そうに眺めていた。
その変な視線を感じて彼女は問いただした。


 「別に。ルキアの本性が現れてきて嬉しいな、と思ってさ」


それを言われて、初めてルキアはお嬢様モードでいなかった事に気づいた。


 「普段はどうやって喋るの?」


ルキアの向かいに座って、は質問した。
今更隠していても意味は無いと分かったルキアは素を出した。


 「このようにだ」

 「また随分と偉そうで」

 「お主がやれと申したのだ。私のせいではない」

 「何で、学校じゃ喋り方が違うわけ?」

 「この話し方では、可笑しいそうだ」

 「格好良いのに」


ルキアが言う事をすべて受け入れ、話を聞いてくれるに対してルキアは聞いた。


 「何故、私に惚れた?」

 「単刀直入だな」


は呆れたが、答えずに聞き返す。


 「じゃ、何でルキアは俺に惚れたの?」

 「・・・自惚れるな。私はお主の事を好いてなどおらぬ」

 「嘘は体に毒だって、聞いたことある?」


ルキアの体を引き寄せると、彼女の唇を舐めた。


 「一目惚れだよ」


そっちは?と笑って聞くにルキアは答える代わりに抱きついた。


 「言ってくれなきゃ、分かんないって。ウサギ好きさん?」


の手はルキアの太ももを触れていた。


 「貴様には、一生近づかない方が良いな」



せっかくの甘い雰囲気を自らで壊すな、と念じながら殴ると、ルキアは教室へと戻っていった。












-back stage-

管理人:あはは、笑い話になってもうた。
ルキア:笑って言う事か!
管理人:やっぱ男主人公は女の子を苛めちゃう性格になるようだ。
ルキア:・・・悪趣味だな。
管理人:ムカつくこと言わない。この後の2人の話は、皆様の脳内で広めていってください。

2005.10.24

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