まったりと。


たまには、静かに仕事がしてみたい。







 「さっさと動け」

 「はい」






 「違う。ちゃんとやれ」

 「すみません」






 「まだ終わってないのか」

 「ごめんなさい」






今日も怒られてばっかだ。すべて僕が悪いわけでもないのに。
隊長に八つ当たりをされる役になってしまってる。


 「隊長。この書類・・・」

 「名を呼べと言ったはずだ」


どこまでわがままな人なんだ。


 「砕蜂隊長。こ・・・」

 「『隊長』もいらぬ」


執務中だというのに、何を言っているのか。
これもすべて大前田副隊長が仕事をサボるからだ。


 「ダメです」

 「隊長命令でもか」

 「ええ。理屈が通らない命令は無視しますよ」

 「貴様は何時から、そんなに偉い人物になったんだ」

 「砕蜂さんのおかげで精神的に強くなったんです」


たとえ『さん』付けであっても、名を呼んでもらったのが嬉しいのか隊長は仕事を再開する。
よかった、吉良副隊長に手なずけるコツを教えてもらっておいて。
今度会ったら、お礼を言おう。


 「ところで、。大前田はどこだ」


それは僕が知りたいです。
でなきゃ、僕がとばっちりを受けること無いんだから。


 「またどこかで食べあさってるんじゃないですか」

 「・・・それもあり得るな」

 「納得しないで下さい」


まだしばらくこの部屋を去ることはないだろうから、僕はソファに座り込んだ。
すると、隊長が隣に座ってきた。


 「仕事は、して下さいよ」

 「当たり前だ」


そう言いながら僕の肩に頭を乗せながら、書類に目を通す。
恥かしがって滅多に甘えてこないことだけを考えると、僕も嬉しくなる。
しかし、今は仕事を優先させなければならない。


 「砕蜂さん、これじゃ仕事が出来ません」

 「え?あ、そうか」


彼女が僕の肩に頭を乗せれば、僕が机においてある書類が取れなくなる。
その事を察知してくれて離れてはくれたけど、温もりを感じていたいのかいつもは真直ぐな背中が丸まった。


 「僕の膝枕をどうぞ」

 「いい。邪魔になるだろう」


親切に違う案を出してあげたのに、拒否された。
ふてくされてしまったか。


ここで放っておいてもいいが、後でまた八つ当たりされることは明白。
次は強引に聞くように仕向けた。


 「しなければ、その服無理やり脱がして襲うよ?」


もちろん、ここは笑みで。
それがコツらしい。


 「・・・。貴様、誰と仲が良いって言っていた」

 「どうしたんですか、急に」

 「いや・・・なんでもない」


彼女が何を言いたかったのかは分からないけど、とりあえず行動に移してくれたから良しとした。
なんとなく雰囲気が怪しいが、気にしないでおこう。


 「

 「何ですか?」


少し眠ると言って、目を瞑っている隊長に目を向ける。



 「いつも感謝している」



袖で顔を隠していても彼女の頬が赤いのは歴然だ。



 「光栄です」



そして、僕の頬も・・・










-back stage-

管:初☆砕蜂夢です!
砕蜂:もっとマシなのは書けないのか?
管:いやぁ、色んな砕蜂を書きたくって、ごちゃ混ぜになりました。
砕蜂:例えば?
管:今回は『意外と女の子』だったけど、他には『他人からの好意は鈍い』とか。
砕蜂:もちゃんと設定していないだろう。
管:『砕蜂を苛める様(からかう)』と『砕蜂を苛める様(微エロ)』と『押されぎみな様』と。
砕蜂:どれだけ悩んでるんだ、貴様。とっとと宿題でもやっていろ。

2005.09.22

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