「最近、ちゃん遊んでくれない」


稽古で疲れた俺の隣にはピンク色の髪を持った、小さい女の子。





the goal for future




頬を膨らませて、可愛く体育座りしてるやちるに声をかけてやる。


 「なんだよ、急に」

 「だから。最近、ちゃん遊んでくれない」

 「遊びたいのは山々だけど、俺はもっと強くなりたいの」

 「まだヒラ隊員のくせに」

 「だからだよ」


やちるにとって、俺は身長が周りよりは低いせいか、馴染み易いようで。
俺は、何時の間にか彼女のお守り役として有名になってしまった。


まぁ、有名なのはそれだけではない。
やちるの『変なあだ名をつける』悪趣味も原因だ。

何故かは分からないが、やちるは更木隊長のみならず、俺の名も特に変形させないで呼んでいる。
女でさえ酷いあだ名をつけられるのに、と周りから囁かれるのだ。



なぜ草鹿副隊長はを特別扱いするのか、と。



 「ねぇ」


すっかり、眠りそうになった意識を無理やり起こした。


 「なに?」

 「なんで、強くなりたいの?」


理由を聞かれても、こっちは困る。
ヒラ隊員で終わりたくない気持ちもあるし、男として自分の限界を知りたい気持ちもある。


 「更木隊長を倒せるようになりたいんだ」

 「剣ちゃんを?そんなの無理だよ。だって、剣ちゃんは強いもん」

 「だから、稽古してるんじゃないか」


予想通りの答えを返されても、心は傷つく。
ちくしょう。やちるのやつ、はなから俺は更木隊長に勝てないと信じてる。
さらに『つるりんにも勝てないじゃん』と言われて、傷をえぐられた。


あーあ、こんなやつの為に俺はがんばってるのか。


そう思うと、なんだかやる気が出なくなってきた。


 「あー、もう諦めようかな」

 「うん。諦めたほうが、ちゃんのためだよ」

 「俺って、そこまで見込みないわけ?」

 「・・・そうかも」


あ、もう立ち上がれない・・・
しかし、男としてそこまで言われるのもどうだろう。


 「あぁ、そうですか。だったら、やちるのことは諦めるしかないな」

 「なんで、あたしがそこで出てくんの?」

 「誰だって、娘を男にやる時は自分より強いやつじゃなきゃ嫌だろう」


特に更木隊長の場合はさ。


そう付け加えたら、もう何を言いたいのか分かるだろう。
案の定、数秒後には彼女は満開の笑みを咲かしてた。


 「がんばってね、ちゃん」

 「死なない程度に頑張るよ」


疲れて眠る俺の隣には、未来の花嫁となる可愛い女の子。




-back stage-
やちる:えー、もっとちゃんと遊びたい!
管理人:また今度ね。(機会があれば)
やちる:・・・絶対に遊ばせてくれないでしょ。
管理人:(ギクッ)そ、そんなことないさ〜?
やちる:絶対ある!
管理人:ほ、本人がオッケーくれたら、遊ばせてあげるってば!
やちる:ちゃん、聞いた?やちるともっと遊びたかったら、連絡してよ!

2005.09.10

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