「そんな目で俺を見るな」
俺の腕を掴もうとしたアリエッタの手を振りほどく。
だけど、アリエッタには何で俺がこんな行動をしたのか、伝わっていないみたいだった。
「どうしたの、」
じっと俺の目を見つめる彼女の視線に耐えられない。
思わず、いつも逃げ込むヴァンの部屋へと走っていった。
「また逃げてきたのか」
部屋に入れば、隠しもせずに笑うヴァンを俺は睨んだ。
「俺の気持ちなんて、分かるもんか」
「良いじゃないか、好かれていて。何が不満だというのだ?」
ヴァンに何もかも見透かされてることぐらい、俺だって分かる。
もう一度睨めば、ノックの音がした。
「は、そこに・・・いる、ですか?」
「ああ、アリエッタ。もう用事も済んだから連れて行って構わないぞ」
「ヴァン!」
人を勝手に売るな!
て、言いたかったのに、アリエッタが出てきたから、言えなくなる。
そんなことを彼女の前で口にしたら、絶対に泣かれる。
「素直になれ、」
呑気にコーヒーを飲みながら俺達を見送るヴァンに、最後の睨みを向けた。
「・・・怒ってる?」
ライガの日向ぼっこに付き合わされた俺に、アリエッタは聞いてくる。
怒ってるかどうか、という質問に対してなら答えはこうだ。
「別に」
「じゃあ、なんでアリエッタとお話してくれないの?」
そう、別に怒ってるわけじゃない。
だけど、なんでか懐いてくるアリエッタの目を見れないんだ。
その気持ちを隠して、俺は嘘を吐く。
「眠いんだ、ちょっと。それだけだから」
「・・・この子達と一緒に、寝る?」
「そうする」
ライガにも懐かれた俺が体を預けても、起きることはない。
眠ろうとすると、他の何かが密着してきた。
「アリエッタも一緒に寝る」
「・・・うん」
心が落ち着かないけど、嫌な感じはしなかった。
遠慮しがちに俺の服の端を掴んでくるアリエッタの行動だって、可愛いと思う。
だけど、それを受け止めたら、駄目な気がする。
何となく、今のアリエッタを俺だけのものにはできないと思えたからだ。
「まだ、アリエッタはイオンが好きだろうしなぁ」
ぽつりと口にしてしまった俺の言葉を彼女は聞いてしまったようだ。
不思議そうに僕の顔を覗く。
「アリエッタは、イオン様が好きだよ」
分かっていても、心が傷ついた。
「でも、今はの方が好き・・・だもん」
俺の心拍が上昇したことで邪魔されたのか、ライガが起き上がる。
その拍子に俺達は、頭を打ってしまった。
「いてて・・・大丈夫、アリエッタ?」
「うん。ごめんね、この子達のせいで、に痛い思いさせて」
「平気だよ。なんとなく、アドバイスをもらった感じがするし」
そんなことで悩んでるようなら、当たっていけって言いたかったのかもしれない。
アリエッタの頭にたんこぶができていないかを確認する。
彼女はくすぐったそうにしていた。
「。アリエッタのお願い、聞いてくれる?」
真っ直ぐに見つめてくる目は、直接俺の心を見ている錯覚がする。
そこで目をそらさずに答えられたらいいのに、まだその勇気はなかった。
「ままごと以外なら、聞く」
だけど、さっきみたいにヴァンのところに逃げなかっただけ成長したと思いたい。
- back stage-
管理:とりあえず、先に謝ります。ごめんなさい。
アリ:謝るくらいなら、書かないで。
管理:ごもっともな意見、どうも。
アリ:・・・やる気ないんだ・・・
管理:あ、あるよ!?それはたくさん!でもアリエッタの可愛らしさが出せない、私。
アリ:・・・・・・。
管理:こ、こんなものですが、紅様以外は持ち帰り/返品不可ですから!
アリ:逃げるな、管理人!ビッグバン!
管理:ぎゃー!
2008.03.21
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