「空は一つしかないから、何処にいたって人は同じ世界にいる」
シズネと並んで寝転がるは、呟いた。
あまりくつろぐことを良しとしていないシズネがを見る。
「なかなか恥ずかしい台詞だよ、これ」
そう言うの顔は、確かに赤い。
そのことに笑いながら、彼女は答えた。
「急にどうしたんですか?」
「んー、平和だなぁと思って」
もめごとや問題が無いわけではない。
ここ最近、特に危険な任務が無かっただけだ。
それは逆に、雑用がありふれていて大変であることを示す。
だから、シズネはと一緒にいるとはいえ、仕事のことが気がかりでなかった。
しかし、忍とは、いつ命を落とすか分からない職業である。
任務が簡単な内容であるだけで、は幸せに思えた。
その時間がいつ消えるかと、は不安なのだろう。
表情が暗い彼を心配して、シズネも心が穏やかになれなかった。
「今度の任務は大変そうなんですか?」
「いいや。だけど、長くなる」
口ぶりからして、帰る時期が定かではないのだと、シズネは悟る。
心寂しくなった彼女が、に密着した。
昔はあれほど恥ずかしがっていたことも、今では当たり前のようにできていた。
「何もいらなかったんだけどなぁ」
シズネの体温が伝わってくる。
は、その心地よさに浸った。
人は何かを得れば、強くも弱くもなる。
今日のは、後者だった。
大切なものだからこそ、離れがたい。
寂しげなをシズネは笑った。
「どんなに離れていても」
彼女が口を開く。
「空は繋がってる」
先ほど、が口にした言葉の意味を伝える。
「だから、私達の心が離れることはない、ということでしょう」
心の中の空白が、彼女の微笑みによって満たされていく。
照れ臭くなったは、視線をずらした。
「何もいらなかったんだけどなあ」
-back stage-
管理人:シズネと空を繋げるのが好きみたいです、私。
シズネ:そうみたいですね。どう違うんですか、前作と。
管理人:えーと、攻めなシズネ?
シズネ:そういうことじゃなくて!根本的に変えましょうよ!
管理人:だ、だって、シズネとはどうしても、ほのぼのしたいの。
シズネ:それは貴方の意見でしょう!ちゃんと小説らしく・・・
管理人:えー、では、この作品は鷹紫様のみ持ち帰り/返品可能ということで。
シズネ:話を聞いて下さい!!
2007.12.26
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