おひるごはん
神子となるべく旅をする一行。
彼女達の旅についていく事となったは、誰にいうわけでも口を開いた。
「男は皆、役割を果たしてるのに」
木に背を預けて座る彼は、動かせない右足を見る。
そして、料理ができるまで散策にでかけた、ロイド達が消えていった方向を見た。
「自分は座って、女がしてることを見てるだけ」
大きなため息が近くにいて聞こえないはずがない。
元気がないを気遣い、リフィルが始めに声をかけた。
「仕方ないわ、貴方は怪我を負っているのだから」
「ごめんね、。あたしのせいで」
「コレットのせいじゃないさ」
怪我を負う原因を作ったとしても、はコレットを責める気はない。
むしろ、なぜ自分は怪我をしないよう態勢を直せなかったかを責めていた。
まだ修業が足りないと、落ち込むのを感じ取ったしいながフォローする。
「災難だったねぇ。まぁ、あたしもコレットには痛い目に合わされたけど」
「ほ、本当にごめんね」
「いや、これで学んだから。お前を助ける役はロイドにやるわ」
「幼なじみでも相手しきれてないけどね」
過去にあったコレットのお転婆な姿を思い出しているのか。
リフィルは遠い目をして呟いた。
「だけど、何もしてないのは悪いよな」
食事の準備をするべく、包丁を手にした仲間を見ると、は手招きをした。
「材料を切るぐらいなら出来るから、貸して」
言われたとおり、彼女達は包丁とまな板を渡す。
彼の膝の上に乗せられた野菜が綺麗に切られるのを見て、コレットとリフィルは感銘した。
「、すご〜い。料理ができるんだ!」
「できなかったら、生きられないからな」
「う・・・私達より上手だわ」
リフィルがショックを受けてるのが、少し彼を苛立たせた。
包丁で彼女を指して問う。
「なんだよ、俺が料理したら可笑しいのか?」
「い、いえ、そういうわけではないけど・・・」
「リフィルは料理が苦手だから、が羨ましいんだよ」
しいなが言うと、リフィルは恥かしそうに目を逸らす。
それを知って、は素直に謝った。
彼女は気にしていない、と返す。
「他に切るものは?」
「あとは、これぐらいかな」
作業を進めるべく、次に切る材料を受け取る。
赤く熟した野菜を見てから、彼は質問した。
「トマト、これだけか?」
「ああ、そうだよ」
「ロイドがね、トマト嫌いだから食べようとしないんだ」
無駄に材料は使わないということか。
納得してトマトを切り終えると、それをコレットに渡す。
しかし、彼女はしいなに辿り着く前にこけてしまった。
おかげで、地面に転がったトマトは食べれそうにない。
「ご、ごめんなさい!」
「いや、俺が悪かった。リフィルに渡すべきだったな」
「あたしも注意しなかったのが悪かったんだよ」
「私も気づいていれば・・・まだ食べれるかしら?」
何気にコレットを責めているようにも聞こえる会話をする三人。
リフィルは、落ちたトマトを使えないかを見るために膝をついた。
「地面についていない部分なら、トマトソースとかに使えそうよ」
「そこまでして食わなくても良いだろ、トマトはサラダ用だったんだし」
「ていうか、もう虫が集ってるってば」
さすがに虫がついていては、食べられまい。
としいなの二人に言われて、彼女は残念そうにする。
諦めた彼女は、食事の準備を再開した。
「ん?ちょっと待った、何を鍋に入れようとしてるのさ!」
「何って、調味料よ。味が薄かったから、入れた方が良いと思って」
「だからって、シチューを作ってる時に味噌を入れない!」
怪我をしている足に負担をかけさせまいと思って座っていたは、立ち上がった。
聞いていると、こっちが不安になる会話をさせられちゃ黙っていられなかった。
足を引きずって歩くをコレットが支えようと近寄るが、彼は断った。
余計に怪我を増やしたくない、という事は言わないでおいた。
「俺が作る」
が怖い顔をして言うので、しいなもリフィルも一歩下がる。
鍋の前が空くと、彼はそこを占領した。
「リフィルとコレットは、荷物の整理でもしてたらいいから」
言われたとおり、大人しく聞いた二人を見届けてから、はため息を吐いた。
「一緒に旅をするって決めたの、早まっちまったかな・・・」
-back stage-
管理人:ごめん、プレセア出せなくて。
しいな:初っ端から謝る、普通?
管理人:どうしても斧を持ってる、そこらの男よりも強い女の子のイメージが強くて出せん。
リフィ:それは個人の問題ね。
しいな:少しぐらい出せばよかったのに。
管理人:・・・ごめん。リクを下さった甲賀様のみ持ち帰り/返品可能です。
2007.01.25
ブラウザでお戻りくださいませ