お邪魔虫
「、ちょっといいか」
授業が終わって帰ろうとするを美鶴が引き止める。
何?と言いたげな顔で見つめると、目線を外して美鶴は用件を伝えた。
「その、今日の生徒会なんだが・・・」
「行かないよ、ミーティングなんて」
「!」
彼女の怒鳴り声がクラスに響き渡る。
が今度は何をしたんだか、とクラスメート達は特に気に留めなかった。
「お前も生徒会のメンバーだろう。たまには、参加したらどうだ」
「やだね。俺、別に生徒会に入りたくて入ったわけじゃないし?」
にやついた顔でが答える。
事実を指摘され、美鶴は言葉に詰まった。
「た、確かに、私が名前だけでも入れてくれれば良いとは言ったが」
「なら、俺を強制的に参加させる必要は無いだろ。小田桐も不真面目な奴がいると、怒るだろうし」
「しかし、今日ぐらいは顔を出して欲しいんだ。彼も来る事だしな」
「彼?・・・ああ、2年の転校生か」
笑顔で新メンバーについて話した美鶴に、は面白く無さそうにする。
その事には気づかない彼女は、が彼のことを知っていた事に驚いた。
「知っていたのか?」
「転校初日から可愛い2年の女の子と一緒に登校。男子の中じゃ、有名だ」
あの岳羽ゆかりと一緒だったのに、男子が知らないはずがない。
大げさに言ってから、はその2年生に興味を持った。
まだ、どんな人物なのかを知らないのだ。
「美鶴。生徒会に顔を出しても良いぞ」
「本当か?」
「交換条件だけどな」
喜んだ美鶴は、落胆した。
結局、彼は自分に利がなければ動かないことを忘れていた。
「仕方ない。その条件をのもうじゃないか」
「約束してくれるか?」
「ああ。それで、何が欲しいんだ?」
何やら企んでいるの顔を見て、美鶴は後悔した。
何故、自分は先に条件を聞かなかったのか、と。
「と、いう事で・・・くん。ミーティングに来る気が無いなら、始めから来るなと言っただろう」
小田桐の機嫌が悪そうな声に、他のメンバーは居心地が悪そうに座っていた。
新しくメンバーとなった彼は、平然とポケットに手をつっこんだまま話を聞いている。
「我等が会長のご命令だったから、断るにも断れなかったんだよ」
「だったら、それは何だ、それは!」
「美鶴が俺と離れたくないっていうからさ」
「嘘をつくな!」
美鶴を膝の上に乗せて座るを指した小田桐を黙らせたのは、美鶴だった。
頬が赤く染まっているように見えるのは、見間違いではないだろう。
「き、気にするな、小田桐。話を続けてくれ」
会長にそう言われて、小田桐は仕方なく話を続ける。
しかし、彼等の話し合いは度々邪魔をされた。
「お、おい、!どこを触っている!」
「腹を抱きしめただけだろ。美鶴が落ちないようにしてるんだ」
「落ちないようにするだけなら、これだけ密着する必要も無いだろう!」
「っ!?」
「ああ、ごめん、ごめん」
「こ、これは、明らかに契約違反だ!わ、私の胸を掴むなど!」
「だから、ごめんって。アクシデントだよ、アクシデント」
「顔が笑っているぞ!」
「なあ、これって、会長達が邪魔なのか?それとも、俺達が邪魔なのか?」
「君達、いい加減にしてくれたまえ!」
メンバー達の悲鳴が聞こえないほど、二人は勝手に二人だけの世界を作り上げている。
そんな様子を見て、転校生の彼は会長について、違うことを口にした。
「ツンデレ属性?」
-back stage-
管理:美鶴姉さんの夢を書いてみようかと思ったら、苛めちゃった。
桐条:転校生に何を言わせてるんだ、最後のあれは。
管理:いやぁ、のほほんと状況を見てるだろうなぁという私のイメージで。
桐条:考えてることが可笑しいだろう!
管理:最近の流行りにも敏感だから、彼は。
桐条:意味が違うだろう、「魅力」の!
2006.12.28
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