「そりゃ、可愛いに決まってるじゃん」


ナナリーが落ち込んでる時、僕は懸命に励ます。
いつもなら、今の台詞で彼女の機嫌は直っていた。


 「僕、好きだよ?ナナリーの笑う顔」


それでも膨れっ面は消えなかった。


 「何か、あった?」


そこまで怒っていたら、簡単に白状してくれるわけがない。
案の定、ナナリーは咲世子さんが煎れてくれた紅茶を飲むだけだった。
少し待つことにしてみる。


落ち着いたのか、ナナリーは口を開くことにしたようだ。
微かに震えた声で喋る。


 「男の人って、よく分かりません」


僕には、何が言いたかったのか分からなかった。
ナナリーは止まらなくなったのか、話続ける。


 「仕方の無いことだと分かってるんです、当たり前なことなんですから」

 「どちらかというと、安心したんです。私のせいで大変だったでしょうから」

 「でも、だからといって、素行まで悪くなるのはどうかなあと思うんですよね」


ああ、なるほど。


 「それだけ溜まってるなら、ルルーシュ本人に言えば?」


そういや最近、あの人に彼女ができたとか言ってたっけ。


 「だけど、シーツーさんとは随分と親しいみたいですし」


お兄様が頻繁に泊りに行くようになったことで余計に口を挟めないと感じているようだ。
そんなの、あの兄ならば杞憂だと思うけど。
常にナナリー優先で、彼が他を選んだことなんて無い気がする。


いや、無いからこそ、思うんだろう。


 「聞いてみたの?ルルーシュに何処に泊まりに行ってるのか、とか」

 「いつも、はぐらかされるだけです」


あーあー、寂しそうな顔しちゃって。
どうしてこの二人はそこまで仲良しなんだか。
かなり妬けるなぁ、ナナリーと仲が良くなりたい僕としては。


 「ナナリーはナナリーで楽しめば良いんだよ、他の人と」

 「他の人、ですか?」

 「そうそう。もっと友達を増やすチャンスだと思えば良いんだよ」


果たして男友達を増やせるかは怪しいけど。
僕もルルーシュにちょっかい出されなくなるまで時間がかかったし。


 「それなら、さん、私と仲良くしてくれますか?」

 「え?・・・何言ってんの、もう仲良しだよ、僕達は」


まずは僕を選んでくれた。
あまりの感動に、拳を握りそうになった。
そりゃナナリーには見えないかもしれないけど、ついそう考えてしまった。


 「じゃあ、もーっと仲良しになってくれますか?お兄様が妬くぐらいに」

 「もちろん。ルルーシュが僕をナナリーに会わせようとしないぐらいにね」


つい嬉しくなって、彼女のほっぺにキスをする。
今はまだ友達としてのキスと思われてるのか、ほんのり赤くなってるだけ。


残念、想ってるのは僕だけか。
期待しすぎた自分に落胆してたら、ナナリーがくすりと笑った。
一瞬、何か柔らかいものが頬にあたる。


 「もーっと仲良し、ですね」



・・・彼女には色々な意味で適わないや。




笑顔












-back stage-

管理:ナナリーの武器って、絶対に不意打ちと愛らしさだよね。
ナナ:はい?
管理:頑張ってそこらへんを強調してみたんですが・・・如何だったでしょうか。
ナナ:管理人さんにしては頑張って書いたらしいですよ。
管理:おうよ、ここまで純情な心をもつキャラなんて書いたことないもの!
ナナ:それって威張れることなんですか?
管理:・・・次にナナリー書くとなれば、黒くなりそうだなぁ・・・
ナナ:ちょっとは本来の性格で書けるように頑張って下さい!

2007.06.19

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