貴方も王天ちゃんと同じぐらい、簡単に操れたら良かったのに。










 「飽きた」



短く言い放たれた言葉に、どきりとする。
飲み物を用意させようと背を向けた時だったからかもしれない。
は、そんなわらわなど気にせず、ベッドの上に座ったまま話を続けた。


 「王宮暮しは、退屈すぎる」


不安が解消され、ホッと息を吐く。
いつもの余裕な笑みで、それに応じた。


 「ちゃんは、刺激的な人生を求めすぎてるのよん」

 「だからと言って、こんな所に住みたいと思うのもどうなんだか」


ベッドから離れると、はわらわに近寄る。
腰を抱いて寄せ、わらわの好きな笑顔を見せてくれた。


 「俺は、お前がいる所なら、どこだって追いかけていくさ」


その甘い言葉に酔い痴れ、自分の心を開いてしまいそうになる。


だけど、わらわはそれが許されない。
あの人の力を得るためには、他人を利用する立場でなければ。




わらわは、誰にも支配されてはいけない。




 「嬉しいけど、わらわには紂王さまがいるのよ?」

 「上辺だけの関係だろ。お前は、誰にも支配されない」



そこまで分かっているなら、何故わらわを放っておいてくれないの。
わらわは、誰にも心を許してはならないのに。



 「俺は、お前の行く道を追う」



こんな大胆な宣言を聞かせて、どうしようというの。
すでに優しさが無くなった笑みは、全てを悟っている。
は、わらわの求めるモノを奪おうとしているのだ。



 「勝手になさい」



すでに余裕を失っているわらわの笑みは、どう映っているのだろう。
求めるがままに目を閉じれば、はわらわの唇に噛み付いた。



囚われの鳥








-back stage-

管理:むちゃくちゃ短いけど、以前書いた「神」とは違った視点で書いてみました。
妲己:わらわの話を描こうとすれば、シリアスな展開になってしまうのねん。
管理:あるいは、ギャグ一直線さ。
妲己:それは・・・わらわの美しさを否定しない限り、許してあげてもいいわよん。
管理:ちょっと、何ですか、その間は。
妲己:まぁ、わらわを描こうだなんて無謀な事に挑戦しただけ、褒めてあげる。
管理:そりゃどーも。

2006.06.16

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